電子回覧板の導入について考えてみる

自治会・町内会のデジタル化

回覧板

現在私は500世帯ほどの自治会の自治会長をしています。自治会に加入していない世帯も含めると600世帯以上はあるのかと思います。自治会は4つのブロックに分けそれぞれに10組ほどの組で組織されています。各組は10~15世帯で構成されています。毎月一回、組長会を開催しその組長会で市の広報等の配布物、回覧物を配布しています。

さて、その回覧板ですが組によっては世帯数が多いためすべての世帯を回るのに半月くらいかかったりします。場合によっては行事の案内が行事後に回覧板で回ってくるなんてころもあります。それでは回覧板の意味はありません。そこで、一部の自治会や町内会で導入している「電子回覧板」の導入を検討しようと色々と情報収集しています。

まだ実際の電子回覧板導入には至っていませんがこれまで考えてみたことをまとめてみます。同じような悩みを抱えている自治会や町内会の会長さん、役員さんの参考になればと思います。

電子回覧板の手段について

電子回覧板を送信するには様々な手段が考えられます。ただ、自治会の規模や自治会を構成する年代などによってどの手段が最適なのかは個々に考える必要があります。

メールマガジンを活用した電子回覧板

電子回覧板を送信する手段で最も手っ取り早いのがメールマガジンやメール配信サービスの活用です。メールマガジンやメール配信サービスはパソコンが一般家庭にも普及しだした2000年ごろからいくつもサービスが提供されていて小中学校などの連絡網などに活用されています。

同じように回覧版についても一斉送信することで電子回覧板として活用することも出来るでしょう。ただし問題があります。自治会で作成している文書であればそのままメールの本文として送信できますが。自治会内の団体や行政からの連絡事項などは紙の資料として提供されます。その情報をメール本文にHTML変換することは大変な手間ですし知識が無いと出来ることではありません。

添付ファイルとして送信しても良いですが紙の回覧資料をPDFまたはJPEGに変換してわかりやすいファイル名で保存して添付する必要があり少々面倒です。メールマガジンの活用は行事の日程変更や雨天時のイベントの中止連絡など緊急性のある連絡には活用できそうですが電子回覧板としての活用は少し難しそうです。

ファイル共有サービスを活用した電子回覧板

ファイル共有サービスやファイルストレージサービスを活用して電子回覧板を送信することも出来ます。先に解説したメールマガジンと合わせて活用すると良いと思います。仕事でファイル共有サービスやストレージサービスを利用している人も多いと思います。

ファイル共有サービスやファイルストレージサービスは企業向けのものを含めると多くの企業がサービスを提供しています。企業の場合はファイル共有にはセキュリティ上の不安もあるかと思いますが回覧板の場合はそこまで気にする必要はありません。普通の回覧板程度であれば無料のサービスでも十分です。

回覧板の紙の資料をPDFやJPEGに変換してファイル共有サービスにアップロードしそのURLをメールマガジンで案内するという形が良いかと思います。メールマガジンも無料のサービスを活用すれば費用は必要ありません。

LINEを活用した電子回覧板

LINEの公式アカウントのサービスを利用して電子回覧板を配信することも出来ます。LINEはスマホを持っている人ならほとんどの方がアプリをインストールしているので電子回覧板を受け取るハードルも低くななると思います。ただ、無料で利用できるのは月に200通までですので500世帯以上の私の自治会ではいきなり有料プランでの運用となるためこの方法は見送りました。世帯数の少ない自治会や最初から予算(ライトプラン年間60,000円)に組み込める自治会なら手軽に導入できると思います。

自治会運営アプリを活用した電子回覧板

インターネットで自治会運営アプリとか電子回覧板といったキーワードで検索するといくつかの自治会運営アプリを提供していく会社やサービスがヒットします。これらのサービスは自治会運営のためのアプリですので電子回覧板についてももちろん活用できるようになっています。私も自治会言運営をIT化するにあたりいくつかの自治会運営アプリ提供会社に問い合わせてみましたが費用的にハードルが高く感じました。単独の自治会で導入することは難しく自治体全体での導入といったケースじゃないと難しいと思います。

また、アプリとは言っても回覧板を受け取る一般の住民には簡単でも運営する側にはそれなりの知識を身につける必要がありそうです。市町村でアプリ導入を決定しある程度の補助金を出して各自治会に導入を促すという形が望ましいのかなと感じました。

ウェブサイトに電子回覧板を掲載

私はウェブ屋ですのでウェブサイトに電子回覧板を掲載するというのは朝飯前です。ですのでこの方法を真っ先に導入することを考えました。WordPressで構築してレンタルサーバーとドメイン費で年間1万円ちょっとです。ウェブ使途があれば回覧板だけでなくメルマガも導入しやすいですしその他の情報発信にも活用できます。

ウェブサイトに回覧板を掲載してもそれだけでは見てもらえません。新しい回覧板が配信されたらメールマガジンで発信したりWordPressのプラグインにはコンテンツが追加されたらプッシュ通知で更新をお知らせするプラグインもあるのでそれを活用すると効果的かと思っています。今のところはこの方法で電子回覧板を始めてみようと考えています。

電子回覧板のファイル形式

電子回覧板を配信するときのファイル形式はなにが望ましいでしょう?まず大切なのは回覧板のすべてのファイル形式は統一しておくことが望ましいと思います。またファイル名はそのデータの内容がよく分かるよう死しておくことが大切です。どのような形で配信するかにもよりますがメール添付で送信したりファイル共有サービスを利用する場合にはファイル名を見てそこに何が書かれているかが分かったほうが親切ですね。

さて、電子回覧板のファイル形式ですが私はJPEGまたはPDFが望ましいでしょう。JPEGは写真などと同じ画像のファイル形式ですね。PDFは書類など印刷を前提としたファイルに活用されることが多いです。どちらでもよいですが自分のやり易い方を選択すると良いでしょう。

特に紙の状態の回覧物をデータに変換するときにスマホで写真を撮って…という方とプリンターのスキャナー機能を活用して…という方では選択するデータのファイル形式は異なると思います。ただ、ワードやエクセルなどの作成時のデータ形式で配信するのは好ましくありません。スマホでは閲覧できないケースが多くなってしまいます。

回覧板を見る人にとって分かりやすいことが大切

電子回覧板は「とにかく回覧板を電子化すればいいんだべ?」という姿勢でやると住民の方に受け入れられません。配信の方法についても同様です。本格運用する前にどの方法で電子回覧板を導入すればいいのかを様々な観点から検討する必要があります。また、運用についても同様に継続して運用できる方法を考えていく必要があります。実は電子回覧板導入の最大のハードルのひとつがこの「継続して運用」していくことです。私自身も現在この部分が大きな悩みでもあります。

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