僕のメールアドレスはウェブでも公開しているので迷惑メールが届くことはごく普通のことです。以前はこれらの迷惑メールをすべて迷惑メール相談センターに情報提供していましたが、最近はそれも面倒で即削除です。
興味深い架空請求メールなので紹介
迷惑メールを大まかに分類すると「儲かるよ」「出会えるよ」「払えよ」の3つかと思いますが、今回届いたのは「払えよ」メールです。その内容を紹介します。
DMMは実在する動画サイト
ご存じの方も多いと思いますがDMMという会社は実在します。有料動画だけでなくゲーム、英会話、電子書籍などコンテンツ配信サービスの会社です。僕もこのDMMの格安SIMを利用しているのでDMMのユーザーではあります。ですから「DMMカスタマーセンター」というところからメールが届いても何の不思議もありません。
長文メールですがせっかくなので全文紹介し色々突っ込んでみます。
架空請求メールの内容(1)
DMM(有料動画サイト)にて、無料視聴の為にアカウントを作成し、その際に【****@wdcro.com←僕のメールアドレス】をご自身で入力後、規約に同意をされ動画を視聴されました。
5分の無料視聴完了後、表示された有料動画に移行する案内に対し了承し、有料動画を継続的に閲覧されております。
有料動画を終了する際は、必ずログアウトをして頂く必要があり、1分視聴した場合でも閲覧終了後にログアウトされない場合は、1分100円の料金が発生し、有料動画閲覧後から3日間未払いが続いた場合、強制的にアカウント停止処分となります。
現在ですが、アカウント停止処分の状態になっており、3日間分の未払いが発生してる状態になってます。
未納金と遅延損害金を含む合計ご請求額【453,600円】を支払期限内に速やかにお支払い下さい。
ご対応なき場合、然るべき機関において、法的手段を取らさせて頂きます。
◆現在アカウント停止中◆
ID:【54754792】
未納金:【432,000円】
遅延損害金:【21,600円】年利5%
合計ご請求額:【453,600円】
支払期限:本通知閲覧後24時間以内
全額未納金の支払いを希望する場合、【未納金支払い希望】と本通知に記載し、ご連絡下さい。
架空請求メールはたまに届きます。でも今回のは僕が格安SIMユーザーとして利用している会社からの請求メール。
なになに?1分100円の動画?3日間見続けたことになってる?
100円×60分×24時間×3日間=432,000円
おー確かに計算あってる♫
こりゃぁ何かの手違いでうっかり動画視聴ボタンを押してしまったのかもしれん…そりゃうっかりだったなぁ。。。
何てことは思いません。SIMカード利用料はクレジットカードで決済していますし、そもそもこのメールの届いたメールアドレスで登録はしていません。メールの続きを見てみましょう。
架空請求メールの内容(2)
=登録に見覚えがない場合=
DMM(有料動画サイト)に登録をしてない、登録した記憶がない、有料動画の視聴の記憶がない、その他間違いである場合、当カスタマーセンターにご連絡を頂きましたら、登録情報の確認並びに本人確認を行うことが可能となっております。
申請された登録情報が一致し、本人確認が完了した場合のみ、【アカウント削除】を行うことができ、DMMを保有する運営元が現在発生してる遅延損害金を含む未納金【453,600円】の債権放棄をします。
債権放棄履行後、遅延損害金を含む未納金【453,600円】の債務は消滅し、データベースに保存されてる登録されてる一切の個人情報を抹消し、登録されましたアカウントのご利用はできませんので、注意下さい。
なになに?連絡くれて、本人確認できて「記憶がない」「間違い」だって言えば未納金はチャラにしてくれるの?
なんて太っ腹~♪
更に続けて…
架空請求メールの内容(3)
=債権放棄を希望する場合=
現在発生してる遅延損害金を含む未納金【453,600円】の債務消滅、個人情報抹消を希望される場合、回答期限である本通知閲覧後24時間以内に【アカウント削除申請】と本通知に記載し、折り返しカスタマーセンターまでご連絡下さい。
【アカウント削除申請】の確認が取れましたら、カスタマーセンターより登録情報照合等のご連絡を致しますので、速やかに照合等を行って下さい。
尚、カスタマーセンターに【アカウント削除申請】のご連絡を行ったにもかかわらず、折り返しカスタマーセンターから登録情報の照合等の案内が届かなかった場合は、再度【アカウント削除申請】と本通知に記載しご連絡下さい。
なになに?債権放棄を希望するかって?するするー
ナヌー!24時間以内に折り返し連絡だと!
このメール受信したのは昨日の11時11分。
今、11時6分…急がないと…
あれ?「本通知閲覧後24時間以内」?じゃ、今見たことにしときゃいいんじゃね?
架空請求メールの内容(4)
※重要事項記載※
遅延損害金を含む未納金の支払い、債権放棄を希望等、何も対応をされない場合、然るべき機関において、民事・刑事等の法的手段に移行させて頂き対応を致しますので、ご注意下さい。
出ました!
然るべき機関において、民事・刑事等の法的手段に移行
ねえねえ、然るべき機関ってどこ?
100歩譲ったとしても…刑事って(笑)そりゃあんたの方でしょ。
更にメールは続きます。
架空請求メールの内容(5)
?会社概要?
・会社名
株式会社DMMサービス
・本社所在地
東京都港区六本木三丁目2番1号 住友不動産六本木グランドタワー
・資本金
1,000万円
・設立
平成11年11月17日
・代表取締役
片岡新平
・業務内容
無店舗型デジタルコンテンツ配信、DVD販売、DVDレンタル
※DVDレンタルは株式会社DMM.com Baseに業務委託。
・お問い合わせ先
24時間メールにて対応
電話でのお問い合わせは、法人様専用ダイヤルとなってます。
会社概要もしっかり書かれています。大体あってますが、代表取締役の名前がビミョーに違います。
https://terms.dmm.com/profile/
そしてメールの最後ではこのような宣言も…
架空請求メールの内容(6)
【反社会的勢力排除宣言】
株式会社DMMサービスは、反社会的経済活動により利益を追求する集団又は個人、(いわゆる反社会的勢力)による被害を防止し、組織的に反社会的勢力を排除するため、次の基本方針を宣言します。
1.私たちは、反社会的勢力とは、一切の関係を遮断します。
2.私たちは、反社会的勢力とは、商品及びサービスの提供その他一切の取引を行いません。
3.私たちは、反社会的勢力による被害を防止するために、警察・暴力追放運動推進センター・弁護士等の外部専門機関と連携し、組織的かつ適正に対応します。
4.私たちは、反社会的勢力による不当要求には一切応じず、毅然とした態度および法的対応を行います。
5.私たちは、反社会的勢力への資金提供や裏取引を行いません。
そりゃあんたの方でしょ。という内容ですが、DMM.comのサイトに同じ内容のページがあるのでコピペしたのでしょう。
https://terms.dmm.com/exclusion_declaration/
DMMのサイトでも注意喚起
おそらくこのようなメールはあちらこちらに送信されているのでしょう。DMMのサイトでも架空請求について注意喚起されています。
https://terms.dmm.com/fictitious/
この架空請求メールについてもうちょっと調査
せっかくなので今回届いた架空請求メールについてもう少し調べてみます。
このメールを送信したメールアドレス
まずこのメールを送信したメールアドレスですが、一応モザイクかけてますが「.link」ドメインです。珍しいドメインですね。
ドメインというと当オフィスのサイトで使用している「.com」とか「.jp」「.org」「.net」など以前からの定番と言われるものがありますが、だんだん足りなくなってきて今では300種類以上のドメインがあります。
これらのドメインは年間の費用が数百円のものから中には「.rich」という金持ち系ドメイン、年間費用が25万円とかいうのもあります。
新しいドメインを利用しているのはいいのですが、せめて架空請求するなら「dmm」を使ったほうが(騙されやすくて)よかったのにと思います。「dmm.rich」も現在の所取得可能ですよ…25万円ですが(笑)
このドメインをwhoisで検索
「whois検索」はそのドメインを誰が所有しているのか?そのドメインがどのIPアドレスを利用しているのか検索できるものです。
https://www.onamae.com/domain/whois/
たいていドメインの所有者は個人情報を公開したくないのでドメイン管理会社の住所や名前になっているものですが…
普通に名前や住所、電話番号が表示されました。ただここに表示された番地はGoogleマップでは存在しなかったのでもしかするとデタラメかもしれません。ただ、少なくともDMMの住所ではありません。
このドメインのサーバーはどこにある?
ドメインからそのドメインがどこにサーバー拠点をおいているかも調査できます。
https://www.aguse.jp/
この調査によればサーバーは香港にあるようです。別に海外でも構わないですが、DMMのサーバーは同様に調査しましたところ日本国内でした。
架空請求メールの通報はどこへ?
架空請求の手口というと、このメールの内容のような未納金があるということを電話でかけてくる手口がよくニュースなどで報じられます。支払いは現金で振り込めと言うものだったりアマゾンのギフトカード買わせたりするものだったりします。
このメールには連絡の電話番号は書かれていないためメールに返信すると何らかのアクションがあるのかと思われます。
この手のメールは明らかに詐欺ですので単なる迷惑メールの通報ではなく警察への通報が望ましいです。
- 警視庁「架空請求詐欺」・「融資保証詐欺」の情報提供
- https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/anket/sagi_info.html
- 愛知県警察 架空請求詐欺の情報提供
- https://www.pref.aichi.jp/police/anzen/furikome/mail/jouhou.html
外にも各都道府県警察のウェブサイトにも同様のフォームがあるとは思います。ただ、これらのフォームの入力は不便です。警視庁のフォームは電話番号入力が必須だったり、メールの内容も1000文字までと限定されていたりします。
もう少し情報提供しやすい形にしたほうが良いでしょう。ある特定のアドレスに架空請求メールをそのまま転送する形が最も簡単だと思います。