コロナ禍をきっかけに急速に増えたキッチンカー。街中のイベントやショッピングセンターやスーパーの駐車場の一角など様々な所で見かけるようになりました。キッチンカーについて今さら説明するまでもないと思いますが、簡単に説明しますと、キッチンカーは、移動式の料理店や食品販売店のことで通常、トラックやバンなどの車両に作られてキッチンで食品を調理して提供したり、移動販売を行ったりすることをしています。
キッチンカーは、さまざまな場所で食品サービスを提供するために使用されます。例えば、お祭りやイベント会場、公園、大学キャンパス、オフィス街などで見かけることがあります。また、一部のキッチンカーは特定の地域やコミュニティ内を巡回し、定期的に食品を提供することもあります。
キッチンカーのメニューは多岐にわたっていてハンバーガーやサンドイッチ、カレー、タコス、ピザ、アイスクリームなどの軽食やデザートが一般的ですが、一部のキッチンカーは地元の料理や特産品を提供することもあります。
昔ながらの露天商と違うのは基本的にキッチンカーのお店は個人で、単独のお店で活動していることが多く今のところ露天商組合のような形をとっているところは少数と見られます。また、キッチンカーはお店の作りも個性的で露天商では見かけることのないこだわりのメニューなども見られます。
キッチンカーを呼ぶことになったのだが…
なぜ今回キッチンカーの話題を取り上げたのかというと、現在、私は校区自治会の役員をやっております。コロナ禍前は毎年夏休みに校区のお祭りを盛大に開催していました。校区に住んでいる住民は5,000人近いので賑やかなお祭りです。当時は自治会内の様々な団体でお店を出していたのですが、今年は4年ぶりの開催。出店のノウハウが継承されておらず、また飲食物を提供することにはまだ抵抗もあるため今年は「キッチンカーを呼ぼう」という事になりました。
自治会の役員というと割と高齢者ばかりで役員の中では若手の私にキッチンカー探しの役が回ってきました。当初は気軽に
「ググれば見つかるんじゃね?」
と思っていたのですが実際に「豊橋 キッチンカー」と検索してみるとヒットする情報は「○○にキッチンカーが来ます」とか「キッチンカーのイベントがあります」みたいなものばかり。キッチンカーを運営している方のウェブサイトはほとんど見当たりません。
キッチンカーを見つけるポータルサイト
そんな中見つけたのがキッチンカーを見つけるためのポータルサイト。キッチンカーを所有している店が登録し、キッチンカーを利用したい人がそこで探すというもの。
https://kitchencars-japan.com/
便利なのですが登録店舗数から見てもほとんどのお店は登録されていない感じです。比率的にはぐるなびや食べログなんかよりもはるかに低い感じです。お店の分類が地域でも県単位なので実際に市内とか近隣市町村から呼びたいと思っても絞り込むことが出来ません。
インスタで情報発信をするキッチンカー
さて、どうしたものか…と色んなキッチンカーのお店紹介を見ているとどこのお店もインスタのURLを掲載していたりします。
「そうか、インスタで探せばいいのか…」
とインスタで「豊橋 キッチンカー」で検索すると
とまあ、こんな感じでわかりにくいんです。
ひとつひとつの写真からその投稿者のページを確認していきます。写真はお店の人が投稿したのではなくお客さんが投稿したものもあるのでとても時間がかかります。
探す側と探される側のミスマッチ
インスタへの投稿というのはキッチンカーのお客さんにとっては、お気に入りのキッチンカーの情報を得るという点では効果的であるとは思います。しかし今回の私のようにイベント運営側から見ると非常に探しづらいものとなっています。
キッチンカーのお客さんが特定のお店をフォローし、「次の週末どこどこのイベントで出店します」なんて情報を得ることは容易です。しかし、「○月○日におまつりをします。キッチンカーの出店募集」という場合には個々のお店の連絡先を探すのがとても手間に感じます。インスタなどのSNSを普段から使用している人なら良いですが、自治会の役員のような場合は60代以上という方がほとんどでおそらくインスタでお店の連絡先を見つけることは不可能でしょう。
インスタはキッチンカーにとって使いやすいツールだが…
インスタは写真やビデオを主要なコンテンツとしています。キッチンカーの店主はスマートフォンやカメラで撮影した画像や動画を投稿し、それらをフィード上に表示させることができます。美味しそうな写真を魅力的に投稿できることが特徴です。ですからキッチンカーにとってはインスタは最も最適なSNSと考えられます。
でも、出店してもらいたい人からは見つけてもらうことが困難な状態です。今回私はインスタで20店程度のキッチンカーをインスタで見つけることが出来ましたが私以外の自治会役員はそもそもインスタを利用していません。インスタに限ったことではないのですがSNSツールはフォローしてくれた人に情報を届けるツールとしては効果がありますが自分のお店を知らない人に検索してもらうという事はあまり効果がありません。
「検索する」という行為は基本的には最初はWeb検索です。いわゆるググるというやつです。特にお店や企業を探すときにはググります。SNSで検索してお店や企業を探すという事はありません。SNSの情報もググって出てヒットすることもありますが十分な情報ではありません。
結局、ウェブサイトがある方が強い
多くのキッチンカーがインスタで情報発信する中、いくつかのキッチンカーはホームページを運営していました。そういうお店は真っ先に問い合わせできます。中でもWordPressを使って構築しているサイトは出店情報なども更新しておりメニューや価格帯など情報量も多く検索でも上位に表示されます。
結局、ウェブサイトを運営している方が強いんです。
それはあなたがウェブ屋だからそういうんでしょ?と思われるかもしれません。しかし、何かを探すときほとんどの人はググります。真っ先にインスタなどのSNSで検索する人は少数派です。
でもインスタ投稿の方がラクなんだもん
当オフィスのクライアントさん、当然WordPressでウェブサイトを運営しているのですが、ややもするとインスタ投稿に頼りがちです。私が「WordPressへの投稿もしっかりやったほうがいいですよ」と助言しても…
「だって、インスタ投稿の方がラクなんだもん」
それはよく分かります。私もそう思います。でも「見つけてもらう」にはしっかりした内容のウェブサイトを運営していることは何物にも代えられない強みとなります。
このページで書いてきた通りキッチンカーもホームページがあったほうが良いと考えます。いやむしろ店舗の場所が一定でないキッチンカーだからこそホームページが必要と思われます。新たなお客さんを見つけるため、出店してくれるキッチンカーを探している人に見つけてもらうためにはホームページが効果的です。
すでにお客さんとなっている方、そういうお客さんに出店情報を伝えるためにはインスタなどのSNSは効果的です。
キッチンカーのグループでのウェブサイトもOK
今回、キッチンカーを探していて気付いたのはそれぞれのお店は仲良しのキッチンカーがいるという事。まぁそれは当然のことだと思います。で、出店してくれるお店を探す側は一軒一軒交渉するよりある程度まとまって交渉できた方がラクです。ですから仲良しのキッチンカー数店舗で共通のホームページを運営するというのもひとつの方法かもしれませんね。
冒頭に紹介したポータルサイト的なものも便利なのですが地域が広範囲すぎます。今後、ますますキッチンカーの需要も高まってくると思います。それはキッチンカーで提供される食べ物のクオリティの高さからだと思います。ただ今後は同業者も増えてくるでしょうし、そうなると如何に出店場所を確保するかが問題となってきます。
今回たまたまキッチンカーを探すという事をして色々と気づきました。キッチンカーを運営している皆さん、「キッチンカーにホームページが必要なのか?「と悩んでおられるなら「必要です」とお答えします。小さいビジネスなのでホームページにそれほど費用はかけられない。と考えておられるかもしれませんが、企業やお店がインターネットに情報発信する場合、独自ドメインでのホームページに勝るものはありません。